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Garcinone E, a xanthone derivative, has potent cytotoxic effect against hepatocellular carcinoma cell lines(キサントン誘導体のガルシノンEは肝臓がん細胞に対して強力な殺細胞効果を示す)Planta Med. 68: 975-979, 2002 |
台湾の漢方医学国立研究所からの研究で、マンゴスチンに含まれるキサントンの一種のガルシノンEという成分が、肝臓がんや胃がんや肺がんに対して抗腫瘍効果を示すことを培養細胞を使った実験で報告しています。この実験では、ガルシノンEは10μM以下の低濃度でほとんどのがん細胞が死ぬことが示されています。
50%のがん細胞が死ぬ濃度(LD50)は0.5〜5.4μMでした。この有効濃度はシスプラチン、5-fluorouracil, ビンクリスチンよりも効果が高いことを示唆しています。
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ガルシノンE
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Antiproliferative, antioxidation and induction of apoptosis by Garcinia mangostana (mangosteen) on SKBR3 human breast cancer cell line.(ヒト乳がん細胞株SKBR3に対するマンゴスチンの増殖抑制、抗酸化、アポトーシス誘導作用)Journal of Ethnopharmacology, 90:161-166, 2004 |
マンゴスチンの果皮の抽出エキスを乳がん細胞SKBR3に添加して抗腫瘍効果を検討しています。9.25 μg/mlの濃度でがん細胞の増殖を50%阻止し、抗腫瘍効果の作用機序としてアポトーシスの誘導、活性酸素の産生阻害が示唆されました。
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Induction of apoptosis by xanthones from mangosteen in human leukemia cell lines.(ヒト白血病細胞に対するマンゴスチンのキサントンによるアポトーシス誘導)J Nat Prod, 66: 1124-1127, 2003
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マンゴスチンの果皮から抽出した6種類のキサントンによる、ヒト白血病細胞HL60の細胞増殖に対する効果を検討しています。全てのキサントンは増殖抑制効果を示し、その中でもアルファ・マンゴスチン(alpha-mangostin)は、アポトーシス誘導作用によって10μMの濃度で完全に増殖を阻止しました。
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Inhibition of cyclooxygenase and prostaglandin E2 synthesis by gamma-mangostin, a xanthone derivative in mangosteen, in C6 rat glioma cells.(マンゴスチンのキサントン誘導体のガンマ・マンゴスチンによる、ラットのグリア細胞C6におけるシクロオキシゲナーゼ活性とプロスタグランジンE2産生の阻害) Biochem Pharmacol 63:73-79, 2002 |
培養したラットのグリア細胞にガンマ・マンゴスチン(gamma-mangostin)を添加して、アラキドン酸代謝に対する影響を検討しています。ガンマ・マンゴスチンは、シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とCOX-2の両方を阻害して、プロスタグランジンE2の産生を阻害しました。50%阻害濃度はCOX-1に対しては0.8μM、COX-2に対しては2μMでした。
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Inhibitory effects of crude alpha-mangostin, a xanthone derivative, on two different categories of colon preneoplastic lesions induced by 1, 2-dimethylhydrazine in the rat.(ジメチルヒドラジン誘発性の大腸発がんにおける粗アルファ-マンゴスチンの阻害作用)Asian Pac J Cancer Prev. 5(4):433-8.2004
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琉球大学医学部病理のグループからの報告で、マンゴスチン果皮に含まれるキサントンの中でもっとも多いアルファ-マンゴスチン(alpha-mangostin)が、ラットの大腸発がん過程を抑制することを報告しています。
粗アルファ-マンゴスチンはマンゴスチン果皮を酢酸エチルで抽出して再結晶化して得ています。ラットに発がん物質の1,2-ジメチルヒドラジンを注射して大腸に前がん病変を作らせる実験モデルにおいて、えさの中に0.02%と0.05%のアルファ-マンゴスチンを加えて、その効果を検討しています。その結果、えさの中にアルファ-マンゴスチンを加えたラットでは、1,2-ジメチルヒドラジンで誘発される大腸の前がん病変が統計的に有意に抑制されることが示されました。
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Xanthones from the Botanical Dietary Supplement Mangosteen (Garcinia mangostana) with Aromatase Inhibitory Activity(植物性サプリメントのマンゴスチン果皮に含まれるキサントンのアロマターゼ阻害作用)J Nat Prod 71(7): 1161-1166, 2008
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アロマターゼは脂肪組織でエストロゲンを産生する酵素で、アロマターゼ活性を阻害する薬はエストロゲン依存性の乳がんの治療に使われています。
この論文では、マンゴスチン果皮に含まれる12種類のキサントンのアロマターゼ阻害活性を検討し、ガルシノンD(garcinone D)、ガルシノンE(garcinone E)、アルファ-マンゴスチン(α-mangostin)、ガンマ-マンゴスチン(γ-mangostin)が用量依存的な阻害作用を示しました。
したがって、乳がんのホルモン療法にキサントンを併用すると抗腫瘍効果を高めることが期待できます。
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Panaxanthone isolated from pericarp of Garcinia mangostana L. suppresses tumor growth and metastasis of a mouse model of mammary cancer. (マンゴスチン果皮から分離されたパナキサントンは、マウスの乳がんの実験モデルにおいて腫瘍の増殖と転移を抑制する) Anticancer Res. 29: 2485-95, 2009 |
マウスに乳がん細胞を移植する実験モデルで、食餌中に2500か5000ppmのパナキサントン(α-マンゴスチンを約80%、γ-マンゴスチンを約20%含有する)を混ぜて摂取させると、通常の食餌を摂取させたマウスと比べて、パナキサントンを投与したマウスでは、腫瘍の体積が小さく、肺の転移の数も少なかった。パナキサントンを投与されたマウスの腫瘍組織では、がん細胞のアポトーシスの頻度が高くなっていた。乳がんの治療の補助療法としてキサントンは有効かもしれない。
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